世界記憶遺産(山本作兵衛・筑豊炭坑画)

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一昨日、大きなニュースが入ってきた。
故山本作兵衛さんの筑豊炭坑画(田川市石炭・歴史博物館が多くを所蔵)が、ユネスコの世界記憶遺産に登録される事に決まった。
日本の歴史資料の登録は初めてのことだ。
このニュースには驚いた。そして、日本の炭鉱文化が世界に認められたのはたいへん嬉しい事だった。
一昨年に開催された東京・目黒区美術館での「文化資源としての炭鉱展」では、山本作兵衛のオリジナルを数多く展示した。私もこれほどいっぺんに作兵衛さんのオリジナルを見たのは初めてで、あらためて感動させられた。
石炭から石油そして原子力へとエネルギーが移って行く中で、石炭産業が明治の近代化や戦後復興に大きな役割を果たしてきたし、多くの炭鉱労働者の犠牲があったことは忘れてはならない。
今回の作兵衛さんの炭坑画が記憶遺産に登録される事は、久々の明るいニュースだった。
筑豊の記録作家・故上野英信さんも、生きていられたらきっと喜んだにちがいない。

写真は1995年に撮影した住友忠隈炭鉱のボタ山。
かつての産炭地・筑豊でも原形のボタ山は少なくなってきた。
ボタ山の向こうに飯塚の町並みが見える。
作兵衛さんは笠松村(現・飯塚市)出身。
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by ysnowy | 2011-05-28 10:28 | 炭鉱 | Trackback | Comments(6)
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Commented by 猫おやじ at 2011-05-28 12:24 x
山本作兵衛さんが存命であれば、きっとよろこばれたことでしょう。地元の葦書房さんから一部が収載されて「絵巻」として出版されていた記憶があります。入社4年目で初の九州出張、田川へは未舗装の国道を春吉の支社から4時間かけてゆきました。田川市史は、いまでも高価で売られているので内心、よろこんでいます。市史にも山本さんの味わい深い、炭鉱の絵をたくさん使わせていただいて、近隣の炭鉱所在市町村のひと味、違ったものになりました。添田町、宮田町と田川市史が足がかりで受注して、出張させていただきましたが、ゆくたびにボタ山が消えてゆくのを寂しくおもいました。
Commented by ysnowy at 2011-05-29 22:38
猫おやじさん
記憶遺産はすばらしいことです。
久しぶりに光がさしましたね。
また筑豊に行きたくなりました。
Commented by ed731003 at 2011-05-30 22:06 x
はじめまして、ed731003と申します。
この様なブログがあることを昨日知ったばかりの者です。実は、萩原さんのお名前は『閉山 三井三池124年』毎日新聞社刊に掲載された写真を目にして以来、心の片隅にずっと残っていました。三池炭鉱関連の歴史に興味を持ちまして、『三井三池各事業所写真帖』を手にし、閉山頃に撮影されたお写真に見入ったものです。
現在、大牟田・荒尾の炭鉱関連の近代化遺産も世界遺産入りを目指した取組が進んでいるところです。私もその一助となればと思い、ブログにてボチボチ大牟田・荒尾の今を、小さなデジカメにて切り取っています。
夕張をはじめとする写真などなど、これからも脳裏に焼き付き、人々の記憶に残るようなお写真を拝見できることを楽しみにしております。
ちなみに私、萩原義弘さんとは漢字1字違いでございます(*^_^*)
Commented by ysnowy at 2011-05-30 23:47
ed731003さん
そうですか。「三井三池124年」を見られたのですか。懐かしいですね。もう15年くらい前のムック本です。あの本で結構好きな事をさせていただきました。
微力ですが、夕張を中心にこれからも写真をアップしていくつもりです。たまにご覧ください。
Commented by ヤリタミサコ at 2011-05-31 19:36 x
一昨年、目黒区美術館で山本作兵衛さんの孫さんが来てくださったことを思い出します。参加者みんなで、記録としての貴重さはもちろんのこと、アートとしての価値も高い、と話をしていました。

ジャンルが違うので単純比較はできないのですが、ル・コルビュジエは採用されず、
山本作兵衛さんは記憶遺産となる、ということは、近代の歴史は労働者の歴史なんだなあ、と考えざるをえません。

とにかく、快哉!!!です。
炭鉱や鉄道、製鉄など、近代の労働者たちが歴史に埋もれていかないことを願います。

Commented by ysnowy at 2011-05-31 21:44
ヤリタ ミサコさん
「記憶遺産」は嬉しかったですね。
しかも原発が大変なこの時期に、日本の炭鉱文化が世界にみとめられたのですから。
閉山してもヤマは生きていますね。
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