1982年・北炭夕張新鉱(通洞西口)
長さ1174メートルの通洞を越えると、新鉱の事務所と赤い竪坑ヤグラがそびえたっていた。
通洞内には人車(トロッコ)が走っていて、それに乗ると5分くらいでたどり着いたと思う。
時には乗り遅れて、20分くらいかけて通洞を歩いた事もあった。
通洞内はひんやりしていて、人車に乗った炭鉱マンたちはみな無口だった。
今考えてみると、人車の音がうるさくて会話もできなかったのだと思う。
人車に乗ると「これから炭鉱に行くんだ」と言う気持になった。
通洞入り口は今も現存している。
中には入れないが、近寄ると当時を思い出す。